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日本人とは何か

第1回 日本人の弱点(その1)

公益財団法人東京財団
上席研究員
小松正之
2015年12月10日

11月19日「日本人の弱点」(出る杭は打たれる、出ない杭は腐る)(IDP新書)(写真)を出版した。

ところで、海外に出て外国人と接していると、日本人の弱点が見えてくる。引っ込み思案で覇気がなくこのままでは世界の流れに日本が取り残される。とくに若い世代が内向きで外に目を向けようとしない傾向が強まり、10年後20年後の日本はどうなってしまうのか。

そして日本の組織と日本人の問題点、自己改革できない体質が目立つ。これは、激動する世界と国際社会では、その変化についていけない弱点でもある。これらを積極的に「日本の弱点」ととらえ、どう生きるべきかを多くの世界と日本の先人の足跡と私の経験に基づき考えてみたい、そして、日本人の方々に少しでも参考になるものを提供したいと思い執筆した。


手探りに教材つくり

本書を執筆しだしたのが2年前である。本書の基になっているのは「政策研究大学院大学」での2008年から「リーダーシップと交渉」という授業で使った教材が主である。教材と言っても、教科書があったわけではない。米国や英国のように歴史と伝統に基づき、リーダー論や交渉論を日本では教えている人がいないのである。それで困ってしまって、自ら教材を作り出したのであるが、其れこそ授業を持って教えだした初期の3年は悪戦苦闘の連続であった。日本には参考にするようなものがないのである。それで、外国に行くたびに、リーダー論や人物伝を購入した。エール大学の恩師数人に教えを乞うた。歴史に名を遺した偉人の人物伝は読み始めると止まらない。日本の本に比べて分量が多く、そして内容も濃い。文字も小さい。


研究対象の範囲を拡大

専門分野に留まらず幅広い教養が重要である。1980年代の日米漁業交渉の時に相手方の米国人が西洋史や文学歴史に対する造詣が深く私は漁業交渉の話しかできず、パーテイの席で恥ずかしい思いをした。日本語にはいわゆる「教養」に相当する人間としての知識、見識であり経験の綜合を上手く言い表す言葉がない。英語では「Erudition」と言うようである。大局観と専門もあり、世のために、人のために貢献できる、思考と行動のベースになる蓄積が必要である。


日本人とは何か

岩手県陸前高田市広田町で生まれた私は、1969年県都盛岡の高等学校に通う。15歳で親元を離れ下宿した。ここでも友人と恩師に恵まれた。今でも私が籍を置く会社社長は盛岡の高校の同級生である。その後大学を出て農林水産省で就職するが、仕事場で、右も左もわからずにいて、諸先輩方には、恵まれて本当に鍛えられた。そして人事院の試験を通り1982年米国のエール大学という名門大学に入学でき学友と恩師にも恵まれた。25周年と30周年の同窓会に出席した。2019年に開催予定の35周年も出席する。

ローマも懐かしい。FAO常駐代表部代表代理として、赴任して国際機関との付き合いが深まった。ローマに暮すとは日本人には全くテンポも、感覚も違う人たちとの付き合いで、次第に慣れた。自分の内面や物の考えも変わり西洋文化と歴史の教養にも触れ、イタリア語にもなじんだ。

国際会議も国際捕鯨委員会の出席者の人間性程悪いものはないと思ったものだ。平気で、日本の代表を無視する。平気で相手に不当な非難を浴びせる。いや気がさしたが、投げ出しもせず、自分の土俵に彼らを連れ込むことに努めた。彼等には本当にある意味では鍛えられたので感謝すべきか。最近は英語で米国人と真剣にデベートするのが快適である。

政策大学院大学教授を拝命するまでは、正規に人に教えたことはなかった。それも英語で突然に教えることになった。教える内容には経験と自信があったが、体系的に整理をしたことがなかった。5年かけて整理し鍛えられた。それらを最初に出版したのが「劣勢を逆転する交渉力」(中経出版)でその後「日本にはなぜリーダーがいないのか」(マガジンランド)につながる。「日本人の弱点」(IDP出版)は第3部作と言える。私は人生の宿題として「日本人とは何か」を考えだした。



著書 「日本人の弱点(IDP出版)」


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