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日本人とは何か

第46回 安心な国日本の勤勉な日本人

東京財団政策研究所
上席研究員
小松正之
2018年7月12日

1ドルは50円を実感

ニューヨークの米国東海岸とポートランド、シアトルとアラスカの西海岸と立て続けに米国を訪問した。米国を訪問すればするほど日本についてよく考えるようになる。そして、日本と日本人の良さに気づく。

2012年に浜矩子さんが「1ドル50円時代を生き抜く日本経済」という本を出版されたが、この人は、豪快なことを言うと思っていた。アメリカに行ってこのことの正鵠を得た内容を実感した。これまでも米経済は異常インフレをしているとは思っていた。の日本でいう1万円台のビジネスホテルがニューヨークでは平気で400ドル台(45000円)をつけていた。2010年国連ビル近くの中堅のホテルも330ドルであった。米国の物価は1ドルが110円ではなく50円をかけると納得がいく。


街のバランスが崩れるシアトル

問題はシアトルである。シアトルはほぼ毎年行っているが、不快な街であるとは一度も思ったことがなかった。

2017年3月訪問時にシアトルの中心に本社を置いていた日系大手水産会社が郊外のベルビューに本社を移転するといった。アマゾンがシアトル市街地に本社を建てるので、交通事情、駐車場の事情も悪くなり、家賃も高くなると危惧していた。その理由がまさに的中した。

私は10年間、その水産会社の1ブロック先の中堅ホテルWarwickに滞在していた。目立った特徴もないホテルだが昨年まで価格が180〜280ドルであったが今年は400ドルが平均価格となった。サービスは中程度の日本でいえば1.5〜2万円程度のホテルである。それが4〜5万円でニューヨーク並みになった。


アマゾン、マイクロソフトとボーイング本社がひしめく

3本社がシアトルにある。ホテルには毎日ひっきりなしに客が来る。フロントのサービスもおざなりである。唯一愛想があるのは、ホテルのレストラン(食堂)の給仕を務める72歳の女性である。娘から孫の子守りにアイダホ州に付いてきてほしいと頼まれたが、断ってレストランで働く。仕事は健康と人付き合いも大切との考えからだという。

ある日、ホテルのエレベーターでアイルランド人医師と一緒に外に出た。7000人の医者と医療関係者がシアトルのコンベンション・センターに集合するのだそうだ。腎臓の移植を専門とするその医師は日本の生体腎臓移植のレベルの高さを称賛していた。世界からシアトルには人が集まる。


食べ物もまずい。タクシーも質が低下。

今回はUber(ウーバー)に負けて、タクシーがほとんど機能しない。ホテルの前にはタクシーはいない。お客はタクシーを呼ぶが到着するまでに30分もかかる。また、タクシードライバーの質が悪い。地理を知らない。また、タブレットの使い方を間違えて、会合に20分も遅れた。余裕をもって出かけて20分も遅れた。それからはホテルと契約するリムジンを使ったが、似たりよったりで、待ち時間が15分で運転手はどちらもエチオピア人であった。トランプ大統領はメキシコからの国境は封鎖しているがアフリカのエチオピア人は入国している。ちょっと乗ったら45ドル(5000円)である。日本では2000円から2500円の距離である。

今回は食事も消化に良いものと思って日本食に2回出かけた。巻きずしと鍋焼きうどんとお茶で36ドル(4000円)である。日本なら1500円程度か。コンビニで朝飯を買ってサンドイッチ、ヨーグルトと野菜スムージー(飲み物)60ドルである。日本では1000〜2000円。サンドイッチなどは本当にまずい。1ドルが本当に50円である。


経済の活況か生活・環境の安定のどちらを取るか。

日本に帰国すると、タクシーの清潔感とドライバーの質の高さ、食事のおいしさ、コンビニでの食品の質の高さと街の安全性に改めて気づく。東京は地下鉄やJR鉄道は予定通り運行される(17日の東北新幹線は4時間も運行停止し一ノ関駅では説明もなかったが)。そして物価は安い。良い国と実感する。

問題はデフレと経済の不活性であるが、経済が強いと結局は、町の機能と人間の営みが破壊され、もともと住んでいた人が郊外に追いやられる。また町の環境が悪化する。日本はそれがないだけよいか。日本は住みやすい。



ニューヨークのティファニー(左)とトランプタワー(右) 2018年5月著者撮影


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