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日本人とは何か

第53回 韓国雑感(その2)莞島から済州島へ 日本の離島との違い

東京財団政策研究所
上席研究員
小松正之
2018年11月29日

日本の離島とは対照的な観光客でにぎわう莞島(ワンド)

莞島に到着したが、元気のある島に見えた。日本の寂しい離島とはとても違う。済州島も非常に元気だ。何が日本と韓国の差になるのか。日本の離島は仕事がないと埋め立て、消波ブロックの設置をし、防波堤を何重にも建設し、醜く環境と生態系を破壊する。そして橋を掛け便利にして人口が流出する。

ところで私が泊まったパークヒル・ホテルは丘の上にできたばかりの新築であった。窓から莞島湾が見えた。明るい海岸で済州島に向かうフェリーも停泊していた。莞島は最盛期のノリ養殖が最も盛んだったころは、15万人(1970年代)、その後7万4000人(1995年)の人口を擁したが現在は5万3000人(2015年)である。現在はアワビとノリ、わかめと昆布養殖と多島海と環境を売りにした観光が盛んである。

265島からなる莞島諸島の大型7島の一つの青山島は、ソウルだけでも100万人の観客動員をした人気映画で、主人公の女優が珍島アリランを悲哀に満ちた声で歌ったことで有名になった。

早朝8時の莞島フェリー・ターミナルには韓国人の年配女性が最も多かったが、男性もいた。観光客で満席状態だった。フェリーは約50分で青山島に到着した。フェリー甲板上から、島々の間の養殖延縄が目に入る。同行者は青島海環境研究所長のKim博士であった。



莞島ターミナルから青山島に向かうフェリー 11月4日


蝦夷アワビの養殖が主産業

アワビの養殖場で私が殻長8センチ程度のとんがった口から親指を入れてアワビの肉を取り出そうとしたら、彼らは危ないからやめろという。私は難なく肉を殻から親指一本で取り出し、そして食べだしたらとても驚いた様子であった。私には子供の頃から馴れたアワビの扱いであった。そのアワビの肉は硬く、肉厚であった。



青山島アワビの養殖施設と沖の左上のはえ縄はわかめ・昆布養殖 11月4日


殻の外形は丸みを帯びて、クロアワビの貝殻に近い。貝殻の色も全体が薄い緑色をしている。しかし、肉側は蝦夷アワビのような外縁の唇に縞模様が入っている。これが北海道から千葉県の太平洋岸に分布する日本でいう蝦夷アワビとは思えない。莞諸島では、クロアワビの分布が優勢すると思われるが、蝦夷アワビという。これは私の疑問である。

莞島では昆布とわかめの養殖はほとんどアワビの餌になる。これが食用に向く日本のわかめと昆布養殖と決定的に違う点である。

その日は、養殖場の経営者の第二世代の案内で、青山島のレストランで、大型のムール貝、イイダコと天然ぶりのなべものをごちそうになった。そのほかにも小皿にキムチやダイコンと野菜の茎などがふんだんに出てくる。


女性のリーダーシップの発揮

魏知延(女性)・青山海有限会社代表は青山島の生まれであるが高等学校は釜山に行った。彼女の生い立ちに大きな影響を及ぼしたのは母親であり、早くに父親が亡くなり女手一つで彼女達6人の娘と1人の息子を育てた。母親は多くを語らず、行動で示し、それを見て彼女もリーダーシップを学んだ。人の役に立ちたいとの思いである。彼女は37歳の時から、故郷のアワビ養殖の手伝いをした。養殖業者たちは一生懸命であるが、自分たちが何をしているのか何を作っているのかを十分に理解していなかった。そこで、アワビの販売の手伝いをするようになった。今では日本の会社への販売も軌道に乗り、安定したと語る。

莞島の蝦夷アワビは、加工歩留まりもよく、日本でもとても評判が高い。山梨県のある社の信玄アワビは、莞島アワビを使用している。昔、武田信玄は、アワビを家臣にふるまったと伝えられている。

魏知延さんは積極的に活動し、彼女がいなければ現在の莞島のアワビの海外販売は成功していなかったかもしれない。どこの国でも女性は強い。


済州島は独特の地域

翌日はバスで2時間北上し、光州市から飛行機で済州島へ向かった。済州島は、済州自治道である。日中韓の間に位置し韓国の中でも独特の雰囲気と島民性があると思われる。福岡までが距離的にも、文化的にも近い。直行便が頻繁に飛ぶ。


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